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貧しかった日本、でも幸せだった子どものころ

 私が小学校低学年だった時代は、日本が戦争に負けて間もないころ。それはそれは貧しい時代でした。親たちは日々の食糧を得るのに必死でした。卵やお砂糖などは貴重品でした。チョコレートなど口にしたのは戦後何年か経っていたと思います。

 市ヶ谷に住んでいましたが、父は家庭菜園をし、母は鉄鍋でパンを焼いていました。特に、コーンブレッドが美味しかった。小麦粉がないのでコーンの粉を代用したに過ぎないのですがいけました。自給自足の時代でもありました。

 おもちゃなんてありませんでした。紙の着せ替え人形を自作して飽きずに遊んでいました。家に大人の自転車があったので、友だちと家の近所で乗り回していました。当時は車なんかめったに通らないので子どもは町中が遊び場で走り放題でした。

 熱を出して寝込んだことがありましたが、そのとき母が初めて本を買って来てくれました。「不思議な国のアリス」でした。用紙はザラザラして灰色、印刷も安っぽくて実に租末な本でしたが、うれしくて何回も読んだことを今でも覚えています。

 生きることに精一杯だった親たちは、かけたくても子どもに手をかける暇もなく、やむなく放任主義だった気がします。大人に「かまってもらえない」のが当たり前と子どもながらに思っていました。そのせいで、自分で楽しむことも考えて身につけました。ぜいたくは何もなかったけれど、自由で気楽でハッピーな子ども時代だったと思います。

 さて、今はあの頃に比べて日本は物質的には月とスッポン。むしろ豊か過ぎて恐ろしいほどですね。次々と開発されるスナック菓子や甘いお菓子の山。遊び道具は?ファミコンやゲームや携帯ネットや新しいおもちゃに溢れています。子どもは有り余るチョイスに選ぶのに困るほどです。

 それでは、今の子どもは貧しかった私の子ども時代と比べて果たして幸せなのかとフッと思うことがあります。一つ言えることは「物はなくても子どもは幸せになれる」ということです。今の若い方々には難解かもしれませんが。



 貧しかったかつての日本、しかし、子どもはあの頃の方が幸せだったような気がします。

 
 
 

 

 
by yoshikos11 | 2009-04-25 17:15
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