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人目に触れにくいグリーフ

 先週土曜日には第7回目の「グリーフ入門講座」を開催しました。ありがたいことに、毎月、何人かの方々が参加して下さっています。今回は、グリーフで苦しむ人々を支援する立場の方々が多かったです。

 その中で、死産や流産で赤ちゃんを亡くされたお母さんを支える会(サポート・グループ)の主催者の方々がいらっしゃいました。主催者であると同時に、ご自身も流産の経験がおありで会を設立されたそうです。また、会を指導されている看護学の専門家の先生もご参加くださいました。

 お母さんのお腹の中で何週間か育っていた赤ちゃんが、ある日突然、動かなくなってしまう。お母さんにとって脅威ですね。いたたまれない気持ちでしょう。やがて、医師より胎児の死の宣告を受ける。そのショックはどんなでしょうか。
 ショックから立直れないうちに、直ぐに手術をするか、人工的に陣痛を起してお産をする。同じお腹を痛めるにしても、新しい命の誕生の為なら苦しみにも意味が見出せるものの、苦しみのために苦しむとは一体どう受止めたら良いのでしょうか。想像を越えています。

 「胎児は、文字通り自分の体と一体化しているので、その死はまさに身を切られる思いで、いいようのない喪失感に襲われる」と先生が言われました。経験者でなければ分らない苦しみでしょう。その意味で同じ経験をした方々が、集って支え合うことには大きな意義がありますね。

 世間一般は、死産や流産を喪失として考えてきませんでした。今回、お話を聞いてこのようなサポート・グループの活動や存在を皆が知るようになり、これまで人目に触れにくかったグリーフが少しでも理解されるようになることを願わずにはいられません。
by yoshikos11 | 2009-09-16 01:50
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