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秋日和,興ざめのカフェ

 先日、雲一つない快晴の日に、家に閉じこもっていては「もったいない」と思い、本を片手に散歩することにしました。家からそう遠くない北の丸公園を目指して歩きました。竹橋の桜並木を行くと、皇居内の銀杏、樫、欅など天を突き破る程の巨木が目を引き、圧巻です。初秋の風が心地よく、気分爽快でした。公園の界わいには、国立近代美術館があり、その中に立派なカフェがあるのでテラス席に陣取って、ゆっくり読書をしよう、というのがプランでした。

 テラスは秋の日をいっぱいに浴びて、三々五々置いてある大きなオリーブの鉢や真っ白なパラソルが映えて、どこか南仏あたりのリゾートを思わせる雰囲気がありました。
 とここまでは、ご機嫌の私でしたが、カフェは美術館のお客が流れて来て、大変混み合い、受け付けで大勢順番待ちをしていました。希望のテラスに座らせてもらうまで30分以上、待たされてしまいました。
 自分の名前を記載して待っていたのですが、ふっと気付くと、私より後に来たグループ客が3~4組次々に席に通されています。忘れられたのか、テラス席は空いてないのか、次第に落ちつかなくなりました。やおら立ち上がり案内係に声をかけました。「さっきから、ずっとと待っているのですが、まだでしょうか?」と私。彼女、いとも事務的に「どなた様?」と名前を聞き出し,順番表をチェック。やっと忘れていたことに気付いたのでしょう。
 けれど、そのことを認めるわけでもなく、詫びるわけでもなく「じゃあ、こちらへどうぞ」と案内しました。一人ぽっちの客だから軽視されたのか。だとしたら無礼千万と思いましたが、こんな良い天気の日に、こんなことで怒りたくなかったので黙っていました。

 さて、やっと念願のテラス席に座ったのですが、待てどくらせど注文を取りにきません。室内の客に対応するので手一杯なのです。 15分は待ったでしょうか。とうとう立ち上がり、室内に入ってウェイターを掴まえてテラスへ連れて来て注文しました。ウェイターも「お待たせしました」の一言もありません。段々気分が悪くなるのを押さえて,本に集中するようにしました。「こんな良い日に怒りたくない」と再び自分に言い聞かせて。何とかお魚のランチにありつけたものの、味も素っ気もない気がしました。
 
 この日、三つ目に驚いたこと。実は、テラスには道路から直接入れるようになっているので、屋内入口の受け付けを通らずに入って来て、勝手に座ることもできるのです。中年のおばさんがいつの間にか、私の前の席に座ったかと思ったら、バッグからアンパンの袋とペットボトルのお茶を取り出し、堂々と拡げてパクパク食べ出したのです。
 「エエッ!ここってレストランなのに?」と目を疑いました。またもや興ざめです。ウェイターも滅多に来ないので誰も咎める様子もなく、そのうちおばさん、食べ終わって堂々と出て行きました。折しも美術館では「ゴーギャン展」をやっていてごった返していたのです。

 このカフェ(Queen Alice Aqua)、特にテラスが広々として皇居の樹々を見渡せてとってもお気に入りだったのですが、美術館で人気のイベントをやっている時は混乱、サービスはゼロ、「最悪」なのでお薦めしません。自分のサンドイッチをバッグに偲ばせて、そっと入り込めば別ですが。
by yoshikos11 | 2009-09-17 05:34
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