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人生に無駄なものは一つもない

 人生に無駄なものは一つもない_f0101220_2361769.jpg 昨日は完全に冬に逆戻りでしたね。孫の卒業式(小学校)へ誘われたので行ってきましたが、会場の体育館、暖房が付いているのですが、そこ冷えがして大人たちは皆「寒い寒い」と震えていました。一旦咲き始めた門の桜も戸惑っている感じです。
 先週、水野治太郎先生の講義のことを改めて書こうと思いつつ、あっというまに一週間が過ぎてしまいました。先生はこれまでに1600名もの死別体験者の話を聞いて来たと言われます。そしてその一人一人のストーリーをどれも覚えていらっしゃるそうです。細々したディテールは定かでない場合もあるが、話の筋は人夫々違い、特徴があり、決して忘れないとのこと。人生の一大喪失についてのストーリーはどれも人の心に焼き付いて容易に離れないのですね。
 そんなストーリーの幾つかをご紹介くださいましたが、特に心に響いた事例は、娘さんを交通事故で亡くした両親が、加害者を最終的に赦したというお話です。子どもを不慮の事故、しかも相手の過失で亡くすほど受入れ難い死別はないでしょう。幾歳月、苦難の日々を送りながら、きっとその親御さんは仏様のように慈悲深い気持ちになられたのかもしれません。人間には真の意味で「赦す」ことはできないのではないかと思うからです。もっと些細なことでも赦せずにいつまでも根に持っていることだってあります。
 一方、生涯誰かを恨み、憎みながら生きることの心の負担を思えば、「赦す」と言う行為は自己の救済にも繋がるのではないかと思います。こうした感動的な話は、確かに簡単に忘れることはないでしょうし、また、カウンセラーの仕事をしていてカウンセラー冥利につきる瞬間に違いありません。水野先生曰く、「当初は最悪としか思えない悲劇であっても、年月が経って振返ったとき、そのことから人生の深い学びがあったと気付くことがある。人生には無駄なものは一つもない」と。
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by yoshikos11 | 2010-03-27 03:40
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