3.11震災・グリーフ神話

f0101220_153372.jpgNHKの報道番組で糸井重里氏が話していたこと「復興とは元に戻すことではない〜新たな街づくりを考えるべき」は心に残りました。
かつての街は失われたのだ〜それが災害サバイバーの方々にとって、どんなにつらいことか、一般には知られているようで、本当には理解されていない気がします。
 慣れ親しんだ風景、商店街、ご近所との往来など全てが、そこに住む人にとって、安心感のよりどころであり、それらが一瞬にして消失すれば、誰しも不安感と恐怖感を募らせて当然です。
 山を切り崩して住宅地を作っても、新しい家を建てても、かつてのご近所さんは誰ひとりとしていない、田畑も失って、日課だった農作業もできない虚しさ。これを「復興」という名の下に喜べるだろうか?
 「街の復興が元に戻すことではない」のと同様に、サバイバーの方々の喪失とグリーフからの再起再生も、決して元の自分や自分の生活を回復することではない、と強調したいです。何もかも変わってしまい、そんなことは不可能だからです。だからこそつらい〜グリーフなんですね。
 重大な喪失の後に、受け入れ難い変化を強いられる〜それを受け入れるには5年は短過ぎます。サバイバーの皆さんが、周囲の理解と真の意味の支えを得て、変化への適応に向かわれることを、切に願います。
私のサイトもよろしく:http://www.gcctokyo.com
by yoshikos11 | 2016-03-13 15:32 | Comments(4)
Commented by 水たまり at 2016-03-19 16:21 x
安全で安心の楽しい暮しであった方ほど、災害の後、深い喪失を抱きながら「復興」という名の新しい変化を受け取り難い。現地は、今とても大きな課題に直面しているのですね。
Commented by 鈴木剛子 at 2016-03-19 19:30 x
未だに仮設住宅に住んでいる方々が多くいらっしゃる。TVのインタビューに答えて、70代の女性『かつての家には、いつも人が沢山集まってました。その人たちに色々美味しいものを作ってもてなすのが、私の何よりの楽しみでした。ここでは、そんなこと到底かないませんね、、』と涙ぐんで窓の向こうに見える海を眺めていた彼女、今でも心に残っています。
Commented by さかもとさん at 2016-03-24 22:31 x
報道にはいろいろな視点がありましたが、大切なのは、そこから私たちがどのような物語を語ることができるかではないでしょうか。
報道が作り出す思想は私たちの語りを制約します。
ある被災地の大学生の話です。
「震災のことを忘れないでほしいと訴え続けてきたのに、私の記憶は次第に薄らいでいる。自己嫌悪に苦しんでいる」と。
それは「忘れるべきではない」という制約による「ドミナント・ストーリー」に苦しんでいるとも考えることができるでしょう。
震災という大きな「ドミナント・ストーリー」の制約に苦しむ方々にも、そこから排除された「オルタナティヴ・ストーリー」、忘れている「生きられた経験」が必ずあるはずです。
私たちも社会に制約されることなく、被災地の方々の悲しみ・苦しみに向き合い、ともにこぼれ落ちた物語を拾い集めることで、新たな語りの気づきを見出してもらえることでしょう。
Commented by 鈴木剛子 at 2016-03-31 00:06 x
論客さん大歓迎です!日本人が3.11のことを風化させないためには、災害サバイバーの有志の方々が、「語り部」のようになって、全国各地で実体験を語り継いでいく、そして私たちは彼らにその場を用意する、提供することではないかと考えます。
その意味でGCCでは、4月16日に陸前高田のサバイバーで医師、木川田典彌氏を招いて「講演会」を開く事にしました。詳しくは別途ブログを書きますので、、
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