人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グリーフとスピリチュアル・クエスト(探求)

 前回のブログは「夏の暑さにも負けず」というタイトルでしたが、先週始めから一挙に涼しくなりましたね。正直いってホッとしましたが、一方では、あまり急な変わりように、あの暑さは一体どこへ行ったのか、あれは「真夏の世の夢」だったのかとちょっと不思議な感じもあります。
 海や山で真っ黒に日焼けした子供達も、今週あたりから皆学校へ戻って行くのですね。涼風の訪れと共に、私はと言えば、この秋にお頼まれしているいくつかの講演のことが、急に気になり出しました。

 まず、9月15日(土)には、ベグライテンと言って、アルフォンス・デ−ケン先生の「ホスピス・ボランティア養成講座」の卒業生の会でお話しします。グリーフについての正しい理解、グリーフ・ケアの目指すこと、喪失を乗りこえてより豊に生きること、などのテーマに絞ってお話するつもりです。
 実は、世話人の方から、「head」より「heart」に響く話をと言われているのです! そうなると、理論や理屈よりも、私自身のグリーフ・ストーリーに触れていくのがいいのかなと、最近はめったに話す機会がない自分のグリーフを振返ることになりそうです。今、ナラティブ(自分の物語り)が注目されていることもあります。

 もう一つは、11月11日(日)、日本臨床スピリチュアル・ケア研究会です。小論文発表と、エリカ・シューハート教授を交えて「危機にいかに向合うか」というタイトルで、パネルディスカッションがあり、パネリストとして発言を要請されています。どこまで対応できるか、ちょっと心配でもあります!
 論文では、死別体験者が苦難をとおして、いかにスピリチュアルな探求を始めたかについて、まとめたいと思っています。その為に何人かの方々にはご協力をいただき、研究目的のインタビューをさせていただきました。
 インタビューアーとしては、その方々の痛み、苦しみの大きさに圧倒され、時には胸がいっぱいになりましたが、皆さんそうした痛みや苦しみに耐えて、そこに意味を見出し、人としてより豊に、愛情深く、真摯に生きて行こうとしておられることに、心底感動しました。
 人間って、なんて悲しいのだろうと思う反面、でも人間ってなんて崇高なのだろうと、思わずにはいられません。「これからは、人にもっとやさしくしたい」「人に支えられたので、今度は人を支える側に」などの言葉を聞きながら、感慨深い思いでした。
 
by Yoshikos11 | 2007-09-04 00:55
<< デ−ケン先生との出会い 夏の暑さにも負けず >>