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暮れのノスタルジア

 東京に生まれ落ち、海外に居住していた期間を除けば、この都会に半世紀住んでいることになります。その間、引越も何回かしていますが、ふっと気がつくと自分の行動範囲は実に限られているというか、どうしても馴染みの場所に繰り返し戻るのだなあと思うこのごろです。
 現在居住している麹町は、幼稚園から高校まで通ったFutabaにも歩いて行ける距離、中学高校時代に熱心に通っていたイグナチオ教会や、上智の聖三木図書館も散歩コースです。晩年になって再びこの教会に返り咲き、上智のコミュニティー・カレッジも利用しています。
 1986年から6年間、最初、Bottega Venetaの一号店を麹町の大通り(麹町警察の真ん前)にオープンし、その後、店を閉じてからも、自営で株式会社インフィニティー(海外ビジネス・コンサルタントの事業)を元の日本テレビの側でスタートさせました。

 昔は閑静な住宅街を背して、オフィスビルはちらほらだったのが、今やその比率は逆転して随分趣きが変わってはいるものの、私にとって麹町はなんとも「なつかしい」街でありホッとする場所なのです。

 昨日は、用事があって日比谷に行きました。今年オープンしたばかりのペニンシュラー・ホテルの直ぐ側を通ったので、好奇心旺盛の私は、思わず中へ入ってみました。この場所には、以前、日比谷パークビルがあり、そのビルを壊した跡地にホテルが建ったのです。私は、かつて日比谷パークビルの4Fにあったフランスの船会社に3年ほど務めていたことがあります。(1970代の後半)

 なつかしい建物が消えて、モダンで華やかなホテルに変わってしまったのは、ちょっと寂しい感じがしました。かつては、航空会社や、その他多くの外資系のオフィスが占拠していて、ビジネスマンや、ウーマンが一階のロビーを気ぜわしく往来していたー私の脳裏にはいまだにそんな光景と独特の活気が残っています。ペニンシュラーの1Fは、カフェになっていて、今や、カップルや家族連れがのんびりとホリデー・ブランチをしていました。

 午後には、このブログでも以前ご紹介したことのある、世田谷事件のご遺族、入江杏さんの講演会が早稲田大学であり、「ぜひ来て下さいね」とご本人から夏以来言われていたので、万章繰り合わせて駆けつけました。実は、この早稲田界隈もなつかしい場所の一つです。私たち一家は、1980代にこの土地に住んでいました。

 たまたま、入江さんの講演があった井深ホールは、当時私のジョギング・コースであったグランド坂に面していました。早稲田の街は今も昔もあまり変化がなくて、古本屋、リサイクルショップ、古道具屋、ラーメンや、銭湯が相変わらず健在でした。

 早稲田を歩きながら、まだ夫が健在であり、3人の娘たちも中学生、高校生だったあの頃のことが、一挙に思い出されました。「あの頃の一家団欒、なつかしいなあ」「冬はお鍋もやったっけ」そんな思いで会場へ。

 色々が重なって、昨日は、なんだかとてもノスタルジックな気分に浸った一日でした。

 
 
by yoshikos11 | 2007-12-24 11:17
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