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寛容なる多神教

 「メリー・クリスマス!」について、こんなメッセージを安心してブログで送れるのも、日本だからなのだと痛感しています。

 実は、アメリカ、カナダから到着するクリスマス・カードには「メリー・クリスマス」のメッセージが本当にめったにないのです。たいては「ホリデー・グリーティングス(Holiday Greetings)」と書いてあります。「良い休暇を」ってことですね。

 北米の公立校では、特定の宗教のお祝いをすることを固く禁止しています。
もちろん、クリスマスも含めて。

 なぜなら、あらゆる宗教的バックグラウンドの子供たちが集まっているため、たとえ世界的に有名なクリスマスと言えども、教育現場への導入には慎重なのです。

 下手すると、特定な宗教を子供に強制すると見なされて、「信仰の自由」に触れてしまうと言う問題があります。

 とはいえ、あらゆる宗教、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンズー教、仏教など、全ての宗教を公平に教えたり、祝うなど不可能なことでしょう。

 もちろん、大人の世界も同様で、相手の宗教が分らないまま不用意に「メリー・クリスマス」とは挨拶できないと言う意識が互いにあります。
 最も、私がカナダで出会った人々はクリスチャンが多かったので、昔ながらに、クリスマスの伝統を踏襲していましたし、イブのターキー・ディナーにも招かれました。

 さて、日本の良さは、天真爛漫というか、寛容というか、どの神様のお祝いごとも『喜ばしい』と受入れて文化の一部に導入してしまうところでしょうか?

 日本の宗教が多神教と決めつけてしまって良いのかは、躊躇がありますが、確かに、新年には神社で初詣、ご法事はお寺で、結婚式は教会で、クリスマスにはツリーを飾って、という具合に色々な神様に礼を尽くしていることには違いありません。

 それは、良く言えば日本人の宗教的「寛大さ」、悪く言えば(特に一神教の人たちの目には)宗教的「無節操」とも取られかねないかもしれません。

 

 
by yoshikos11 | 2008-12-23 12:17
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