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映画「チエンジリング」

 先週末、久々に映画を見に行きました。「チェンジリング」(changeling)と言う題名ですが、その意味は「すり替えられた子」だそうです。
 監督、クリント・イーストウッド、主演、アンジェリナ・ジョリーで、それぞれアカデミー監督賞、主演女優賞にノミネートされ、惜しくも両者とも受賞を逃したとは言え、たいへんエンターテイン性の高い、2時間半があっという間に経ってしまう良くできた映画でした。

 ストーリーは、1928年、米国ロスアンジェルスで起きた誘拐事件の実話に基づいています。ジョリー演じるシングル・マザーが、最愛の一人息子を誘拐され、絶望の底に突き落とされるのですが、5ヶ月後にその息子が遠く離れたイリノイ州で見つかったと言う知らせを受けます。

 ジョリーは喜々として息子を引き取りにイリノイへ向かいますが、本来なら「感激のご対面」になるはずがハップニングがあります。「貴女の息子さんです」と刑事に引き渡された子どもは、息子とは似ても似つかない赤の他人でした。
 当然、ジョリーは「私の息子ではない!」と主張するのですが、どうやら警察はある迷い子を彼女の息子にしたてあげ、ジョリーに押しつけようとするトンデモナイ裏があるのです。警察はうそで固めたトリックで誘拐事件に決着をつけたかに見せようと仕組みます。

 私たち観客は、最初の場面でジョリーの息子を見ているので、偽の子どもを押しつけられるシーンでは「そんな馬鹿な」あり得ない話と思うのですが、あり得ないことが次々展開し警察の権力には逆らえず、ジョリーはどんどん窮地に追い込まれて行きます。
 あらゆる証拠を見せて「自分の息子じゃない」「違う」と訴えるのですが刑事は相手にしないばかりか、ついに彼女は精神病患者の刻印を押されて病院に監禁されてしまいます。ジョリーのフラストが観客にヒシヒシと伝わって来ます。

 ここまで見て、当時のロス警察がいかに腐敗し市民を食い物にしていたか、権力、金、虚偽にまみれ、ちょっとでも警察に楯突く者は力づくでねじ伏せられたかが分ります。
 その後、ジョリーを応援する勇敢な牧師、弁護士、息子の学校の先生、歯科医などが登場し、ジョリーが強くなり立ち上がり、断固警察と闘うというスッキリする展開もあります。

 さて、同時進行的に別の誘拐事件が進展し、それとの絶妙なからみでサスペンスはいやが上にも高まり、目が離せなくなります。これ以上、ストーリーを話すとこれからチェンジリングを見ようとする方がつまらなくなってしまうので、この辺にします。

 クリント・イーストウッドは何を言いたいのでしょうか。一つには、強力な権力によって弱い市民の人権が侵害される悲劇について、そして1920年代のみならず、現在もそうした悲劇はどこにも起こりうることを訴えたいのかと思いました。

 

 
 

 

 
 
by yoshikos11 | 2009-02-28 20:46 | Comments(0)

旅の恥はかき棄て(にできない)

 「旅の恥はかき棄て」とか言われますが、最近マスコミを騒がせた中川元外務大臣の「朦朧」とした記者会見はご本人にとって、とうてい「かき棄て」にはできないでしょう。あの一件でキャリアに傷がつきモッタイナイなと思います。

 あれを見て、私はかつて日本企業のビジネスマンの方々に同行して、頻繁に海外出張中していた頃のエピソードなど思い出してしまいました。もう、10何年も前、私が海外ビジネスコンサルタントをしていた頃のことです。

 欧米企業との商談では、早朝から終日ディスカッションということも稀でなく、ランチタイムにはシャレたレストランでワインなども饗して2時間くらいかけてゆっくりもてなされることは良くありました。
 
 普通、日本人にとって昼間にワインを飲む習慣はあまりないので、昼に飲むお酒は良く効くとか、酔いやすいとかの認識があまりないようです。時差、海外旅行の緊張など相まって、余計お酒は回りやすくなります。

 ランチが終わって「さあ、商談の続きを」と外国の招待側が促し会議室に入るやいなや、そばのソファに寝転んで眠り始めた若い日本のビジネスマンがいました。「えっ!気分でも悪いのですか?」「ドクターを呼びましょうか?」と招待者は騒然となりました。

 当人は欲も得もなくただ眠いので「いえ、どこも悪くありません。15分眠らせて下さい」と言って本格的にお昼寝です。皆あきれ顔でしたが30分待つことになりました。通訳の私も説明のしようがなくて困ったものでした。

 また、私のイタリア人の友だちは、日本語が達者でミラノで日本人出張者の通訳をしていました。あるとき、彼女は日本人出張者に同行し、イタリア式のフルコースのランチに参加。もちろん、招待側のイタリア人は、ワインやシャンペンも薦めます。ランチの途中で日本人の出張者が「ちょっと失礼」とトイレに立ちました。

 さて、待つこと10分、15分、その人が戻らないのでイタリア人たちも心配し始め、ウェイターに頼んでトイレをチェックしてもらうことになりました。なんと皆の心配をよそに当人は廊下のベンチで「グーグー」眠っていたそうです。

 とまあ、類似した話は幾つかありますので、私は中川氏の今回の騒ぎには「さもありなん」と妙に納得しました。言い換えれば、日本人出張者の誰にも起こりうる失敗談。ただし、国家を代表していたことや記者会見で証拠が残ってしまったことで、「恥のかき棄て」が難しいだろうと思います。

 

 

 
by yoshikos11 | 2009-02-24 17:18 | Comments(0)

<送りびと>アカデミー外国作品賞受賞

 「送りびと」やりましたね! 久々に明るいニュースです。かく言いつつ私は残念ながらまだ、あの作品を見ていません。ウィークエンドになんとしても見に行かなければ。。。

 見てないので、今は具体的にコメントできないけれど試写会を見た友人、Sさんによると「東洋の神秘」がアカデミーの関係者に評価されたと言うことなのでしょうか

 しかし、文化の違いを越えて「生と死」のテーマは普遍的なもの、「送りびと」のテーマの取り上げ方、繊細さなどに、海外の人々が共感したのかもしれませんね。
「うまい」って思ったかどうかわかりませんが。癒しを感じたとか?

 また「送りびと」のような映画が作られた背景には、最近、日本で死別を扱った映画が多く製作されている傾向など、テーマ的に受入れる土壌が出来つつあるということがあるのでしょう。日本で「生と死」の問題と真剣に向合う人が増えたと思って良いのかもしれません。

 そこで思い出すのは、10年以上前?に作られた伊丹十三の「お葬式」という当時評判になった映画です。ユーモラスに死のテーマを取り上げ、しかも社会的風刺を強烈に効かせたインパクトの強い作品でした。伊丹十三は先駆者的というか、少し早く生まれ過ぎたように思います。今なら、アカデミー賞?

 「送りびと」見たらまた感想を書きますので。

このブログをご覧になった方、私のサイトもよろしく:http://www.gcctokyo.com
by yoshikos11 | 2009-02-24 16:30 | Comments(0)

国家のリーダーたるものは!

 傷心のバイデンが悲劇を乗りこえた原動力は何だったのだろう? もちろん親身に彼を支えた家族、同僚の議員、友だちなどがいたことは確かですし、また、良縁を得て現夫人、ジルと再婚もしました、しかし、何よりも強力な原動力は、彼の政治家としての「志」と「夢」ではなかったでしょうか。

 若き日の彼は人権問題に高い関心を持ちます。社会的に不利な立場に追い込まれている黒人たちや、貧困層に同情し闘って来ました。そして、アメリカ社会に真の自由平等、万人の幸福を実現したい、その為に自分の一生を捧げようと思ったのです。

 その結果として、バイデンはアメリカのNO2にまで登り詰めたのですね。オバマがバイデンをパートナーに選んだのは、単なる外交通というだけでなく大所高所から見て必然的な選択だったように思います。

 最後に、バイデンのお母さんの教育が、この人の根幹に脈々と流れていると思いました。お母さんは彼が子どもの頃から「どんな人もお前より偉いと言うことはなく、お前はどんな人よりも偉いと言うことはない」と折りにふれ教え込んだと言うのです。(福沢諭吉「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」)
 彼の家は貧しかったそうですが、お母さんは誇りと謙虚さの両方をもつことを教えたのですね。

 この教えを彼は国際政治の上でも実践していくと期待します。バイデンは「大国ゆえに小国の利害を無視して支配するなどがあってはならない」と信じているのです。
 
 挫折、不遇、下積みの辛苦、そんなものが肥やしになっている志の高い政治家、オバマとバイデンの二人に夢と希望を託したい気持です。親の七光りとかではどうにもならない、どうやら政治の世界の通念になりつつある昨今においては。
 

 

 

 

 
 


 
by yoshikos11 | 2009-02-22 23:47 | Comments(0)

ジョー・バイデンのグリーフ(悲嘆)

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春を待ち望む寒い日々、まずは「もくれんの花」で目を和めてください!

 さて、ジョー・バイデンに興味を持ちとうとう自叙伝まで買い込んで読破した理由は、他ならぬ彼のグリーフについて知りたいと思った事です。バイデンは30歳で米国上院議員に当選。共に苦しい選挙戦を闘って来た愛妻ネイリアと1歳の娘ナオミを交通事故で亡くしました。晴れの上院議員宣誓式の2週間前でした。

 一挙に二人の身内、それも一人は幼い子どもを突然に亡くすショックは間違いなく「ハイ・グリーフ」と言えましょう。「あまりの苦しさに自殺がもっとも納得の行く解決に思えた」とあり、自殺を選ばなかった唯一の理由は、遺された上の二人の息子(彼等も重傷で長期入院)を見捨てられないと思ったからと書いています。彼等を守ろうとする気持だけにすがっていたとも。

 妻が出席しない宣誓式など耐えられない、ようやく闘い取った上院議員のポストもどうでもいい、いや辞めたい、何もかもどうでもよくなったとあります。バイデン家はアイルランド系移民で決して裕福とはいえないが、一家は敬虔なカトリック信者で彼もカトリックの私立校で幼少教育を受けました。
 
 しかし悲劇の真っただ中で、これまで教わってきた善良の神、慈愛の神などもう到底信じられない。それどころか、自分にこんなひどい仕打ちをする神などどうでもなれと「怒り」を爆発させ、暗い夜道を当てどなく彷徨い歩いたこともありました。

 そんなバイデンの救いは、一時も彼を独りにさせず支え続けた彼の両親、弟、妹たちでした。弟は秘書役、妹は二人の息子の母親がわり。一家の結束と協力体制の固さは、彼のあらゆる選挙戦で実証済みですが危機において最も功を奏したようです。

 もう一つの救いは、先輩上院議員、マイク・マンスフィールド(元、日本大使)の存在です。病院で息子たちを看病し家族以外誰とも話したがらないバイデン。そんな若輩の彼に毎日に電話をし、上院財務委員会のポストをオファー。拒み続けるバイデンを説得し続け絶対諦めなかったのがマンスフィールドです。自暴自若の若いバイデンを何としても救いたかったのでしょう。

 もし、マンスフィールがいなければ上院議員バイデンは誕生しなかったでしょうし今日の副大統領もありえなかったわけです。

 もう一つ彼に決心させたのは、亡き妻ネイリアに対して感じていた恩義と忠誠心だったようです。若く、貧しいバイデンを経済的にも支え(彼女の父は資産家)彼を信じて政治家の道を歩ませた内助の功がネイリアにあったことは自叙伝を読むとよく分かります。

 「かつて上院議員の宣誓をしたアメリカ人は僅か1,680名。その一人に僕がなるためにネイリアはどんなに一生懸命働いてくれたことだろう。亡き妻に恩返しをしなければ」やっとバイデンは説得されました。「MR. マンスフィールド、分りました。6ヶ月だけなら働きます」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
by yoshikos11 | 2009-02-22 00:00 | Comments(0)

アメリカ副大統領 ジョー・バイデン

 ヒラリー女史のことを書いたので、ついでにもう一人の逸材、副大統領、ジョー・バイデンのことに触れようと思います。ついでと言うにはあまりにも重鎮すぎバイデンですが。ヒラリーよりもオバマよりも遥かに政治的キャリアの長い政治家、上院議員歴38年というベテランです。

 国際政治の専門家である友人MIさんによれば「オバマは、人を見る目があり副大統領に最適な人材を選んだ。国際外交の経験,知識ともアメリカの政治家でバイデンの右に出る人はいない」とのことです。オバマの弱点と言えば、やはり政治家としての経歴が浅い,特に国際政治通ではないと指摘されて来ました。それを補うのがバイデンと言うわけです。

 しかし、バイデンは補佐以上の力の持ち主であるようです。本人は「いつでも大統領の仕事をする」自信があると自叙伝:Promise to Keep (守るべき約束)で明言しているのです。過去,2回にわたり大統領予備選で闘った強者、2005年の予備選では「自分が大統領になったら何をやるのか、誰を登用し、どう手を打つのか全て思い画ける」と自信のほどを示しています。

 副大統領とはいつでも大統領の代わりができる必要があり、それなりの自信がなければ困るというものでしょう。もっと、自画自賛ではどうにもならないのですが、バイデンの自叙伝を読むと、そのガッツといい、実行力や精神性の高さといい、すごく説得させられるものがあります。

 まさに、アメリカの「良心」ここにありと言うことが分ります。大国アメリカが全世界に対して担っている責任の重さを指摘し、自国の利害だけを追求するアメリカのエゴを批判しています。特に、武力だけでは何も解決できないこと、国際紛争は各国とのアライアンスによってのみ対応可能と言っています。

 ブッシュ,チェイニー,ラムスフィールドらが密室でイラク戦争突入を決めた時に真っ向から反対したのも彼です。アメリカ国民を間違った方向へ誘導し、泥沼戦争の負担を負わせ、アメリカの世界的信用を失態させたブッシュの責任を徹底糾弾し続けてきたのもバイデンです。ブッシュに恐れられ嫌われていた筆頭かもしれません。

 いまや、世界のグローバル化が進み、自国の利害だけ主張したのではどうにもならないことが素人目にも歴然です。バイデンのような世界レベルの視点から人類の幸せを指向する人材が表舞台に立ったことは希望が持てますね。

 彼に興味を持ったもう一つの理由は、若くして夫人とお子さんを亡くすと言う悲劇です。このことは次号で書く事にします。ご期待ください!

ブログを読んで下さった方々、ごついでに私のサイト:http://www.gcctokyo.comも見て下さい!
 
 
 

 

 

 
by yoshikos11 | 2009-02-21 21:42 | Comments(0)

外交のナイーブさは弱さ

 ヒラリー女史が来日しましたね。さすが、大統領選を2年間の長きに亘り、オバマ大統領とほぼ互角に闘って来ただけあり、国務長官としても既に貫禄を感じました。(大統領としての資質も充分ある人材がオバマ氏を支えているー新オバマ・チームの底力ですね)

 さらに、今回彼女の来日スケジュールや発言から、日本研究を徹底して外交に反映させ、日本人の国民感情をとらえるようとするアメリカのシタタカさ(良い意味で)も見せつけられた思いです。

「日本は政治、経済両面で米国にとって最重要のパートナー、だから最初に訪問した」日本人の自尊心をくすぐる外遊スケジュールと発言、うまい!でも、もしかして、より手強い相手中国を訪問するまえの、日本は足固め?肝試し?簡単にくすぐられない私です

 到着の次の朝は明治神宮に参拝。「日本の伝統や宗教に敬意を払い、日本人の安寧と幸せを祈った」との言葉、たとえ外交辞令だったとしても(そうは思いませんが)日本人のスピリチュアリティへ訴えかけること間違いなし。(日本人が大挙して初詣に出かけることを百も承知の上)

 もちろん、日本の政情も熟知した上で民主党の小沢党首と会見(半年先には小沢さんが日本のヘッドかもしれないと見通したかどうか?)美智子皇后とはファーストレディー時代のおつきあい、ファーストレディーのキャリア(資質)も有効活用。Why not!

 心にくい、したたかなアメリカの「外交的戦略」を見る思いですね。一方、我が国はと言えば、マスコミも口を開けば「オバマ政権にとって日本と中国とどっちが大事なのか?」と言う問いを発し続け、戦々恐々となっています。そんなのどっちも大切と言われるに決まっている!

 あるアメリカの日本研究家はこんな愚問(中学生の交友関係じゃあるまいし)に拘泥する日本は、あまりにもナイーブ過ぎると言っています。そんなことを気にしている暇があるなら、日本は世界のリーダーになれる資質も力も充分あるのだから、それを有効利用することをもっと積極的に指向すべきであるとも。

 今回のヒラリー女史の来日は、何となく自信喪失傾向である日本に対して「大丈夫貴方たちはスゴいんだから頑張って!期待しているわよ」と言われたような感じがしましたが。。。子供が母親に激励されたみたいに。

 私も、日本と日本人の優れた資質を信じていますが、ただ、外交上のナイーブさだけはどうにかして欲しいと常々思っています。今や、相手国を徹底研究し「科学的実証主義的」ベースで外交戦略を建てなければ,単に相手の情に訴えたり、勘に頼ってで動くのではどうにもならないでしょう。
by yoshikos11 | 2009-02-19 13:34 | Comments(0)

第1回 GCC定例勉強会

 今年からGCCでは、各講座の修了生たちを主な対象として、一部外部の研究者にも輪を広げ、更なる学習を目的として「勉強会」を毎月一回持つことになりましたが、その第1回を先週の土曜日(2月14日)に開催することができました。

 講師には「国立精神・神経センター精神保保健研究所」の富田拓郎先生(臨床心理士)をお招きして「これからのグリーフ・カウンセリングをめぐって:新しい理論、視座、そして課題」というテーマでお話いただきました。

 富田先生は、ロバート・ニーメヤー編集による「Meaning Reconstruction & the
Experience of Loss 」(喪失と悲嘆の心理療法)の訳者でもあります。私は、同じくニーメヤーの著書の訳者として(大切なものを失ったあなたに)、富田先生には親近感を感じていました。
 もちろん、前者は学術図書、後者は一般向けという違いこそあれです!

 「あの本を訳された方の講義をぜひ一度聞きたい」と思っていたので、この度、勉強会発足に際して、そのトップバッターとして富田先生にご登場願ったのでした。当日は、他ならぬ私が一番大きな期待感で臨んだと言えましょう。

 またその日は、春を通り越して初夏のような暖かさでした。天候に恵まれ20名が勉強会に参加し、皆さん、グリーフ研究では最先端をいく、また、包括的、実証主義的な先生のご講義をたいへん熱心に聴講しました。

 特に先生は、博士論文として「突然死で子どもを亡くした親のグリーフ」についての研究をされ(しかも、12年も前に!)、その内容をご紹介くださいましたが、これほどまで大規模な調査は日本で他に例がなく、たいへん説得性がありました。

 おかげさまで、全員有意義なお話を伺えて願ってもない学びの機会をもつことが出来ました。先生は、グリーフを、科学的実証主義的に研究することの重要性を強調されましたが、まさに、そのとおりだと思いました。
 日本のグリーフ研究の遅れはそこにあると痛感したのでした。また、一般のグリーフに対する認識が深まることで、調査研究への協力意識も高まるのかもしれません。

 
by yoshikos11 | 2009-02-19 02:48 | Comments(0)

何の罪もない市民が犠牲に

 先日、友人から、NHK-BSの特集(シリーズ):「戦火のまっただ中にあるガザ地区」についてを見るようにとメールをもらいました。あいにく、今週は夜の講座その他用事があって私は見る事ができなかったのですが、以下、友人の感想です:

「昨晩はガザの元漁師の家族の生活を放送していました。イスラエルの封鎖は海まで及んでいて、漁師が漁に出ることも出来ません。仕事を失った男達は失業しているだけではなく、一家を支えているという男の誇りを失って、互いにいがみあっています。」

「その中で母親は強く、『イスラエルが殺すなら殺して見るが良い。私たちは殺された数を上回る子供を産み育ててやる。』と息巻いています。一家32人という大家族で、食べるものもあるか無しかの生活をしながら、夕方になると年取った母親が一人歌を歌っているのです」その逞しさに感動しました。

 とありました。私も、いつ終わるとも知れないイスラエルとパレスチナの闘争に無関心ではいられません。安保理の介入その他諸外国の要請により一時停戦か?と思っても又,2-3日後にはなし崩しのように攻撃が再開します。

 両国の対立の歴史は長く複雑で私の理解を越えています。また、政治的な思惑、覇権争いなど素人には難解過ぎます。しかし、一つ言えることは戦争で犠牲になるのはいつも、何の罪も責任も影響力もない一般市民だと言う事です。それを思うとどうにもやりきれない気持ですね。

 さて、GCCの受講生の一人、Fさんは、ご主人がパレスチナ人だそうですが、ビザ取得が厳しくガザに戻れないとの事です。夫婦離れ離れで暮らしており、それだけでも辛いのに今、ガザに住むご主人や親族の安否を身の縮まる思いで心配しています。

 そして、FさんはNHKの報道にある「ガザの封鎖」だけでも解除してほしい、日本政府にも応援してほしい、そうしないと支援物資すら届かないと、人権保護の立場から署名運動をしています。「パレスチナの惨状を知って」などFさんの記事が、先月、四大紙にも取り上げられました。

 「ご主人やご家族の無事を祈っていますね。戦火で苦しんでいる人たちがいること、私たちも決して忘れないし、早く、平和が戻る事を皆で願っていますから!」私には、そう彼女に声をかけるのが精一杯でした。去って行く彼女の後ろ姿からしばし目が離せませんでした。
by yoshikos11 | 2009-02-13 18:20 | Comments(0)

個人に託す期待、夢など

 昨晩は、GCC養成講座−上級篇がスタート。第一回は「死生学概論」を講義しました。比較的少人数ではありますが、受講生の熱心さには、講師である私も多いに触発され励まされました。今後が益々楽しみです。

 講義の中で「なぜ、現代人は死を否認する傾向なのか?」と言うテーマを取り上げましたが、幾つかの理由の中で「個人主義の普及」を上げることができます。

 個人主義には、「私たち一人一人が無限の可能性を秘めており、一人いて二人といないユニークな存在であり、個人は生涯を通して限りなくその可能性を追求し極めて行く」ーと言う意味があります。

 キラ星のように輝いて世に抜きんでていくーと言う個人のイメージがあります。
この話をしながら、一昨日グレン・グールドの早過ぎた死について「モッタイナイ」と書いたことを思い出しました。

 なぜ、「モッタイナイ」と思ったのか。それは彼が到達した「美の世界」が彼の死によって「ストップ、そこまで!」と遮断されてしまったことです。彼なら、さらに美しいもの、さらなる至福の世界を求め続け、提供してくれただろうにーと言う私の無念さがあります。
 
 現代人は無限の可能性を奪うものが「死」であり、だから死を否認したいーグールドならずともその死を惜しまれるキラ星が、私たちの宝物が他にも幾つもあるでしょう。

 グールドは二人といないのですが、一方で別なタレントが新たに誕生することも事実。神様は次々に新しい命をこの世に送り込んでくださり、私たちの夢や希望をたやされないのかもしれません。
 
by yoshikos11 | 2009-02-11 12:54 | Comments(0)