<   2012年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧

陸前高田の海辺にて

f0101220_23124183.jpg7月初旬、今年になって3回目、岩手県・陸前高田市を訪問し、微力ながら、被災した方々の支援に携わらせていただきました。

 仕事の合間に抜け出して、タクシーで陸前高田の海辺へ案内してもらいました。ドライバーさんは地元出身の女性でした。『子どものときから、毎年、夏休みには、松原海岸で泳いでました。美しい松林だったんですよ。それが、すっかり消えてしまいました』と悲しそうに話していました。

 『でもね、あなたの心の中にある思い出や、美しい光景までは、消されてはいませんよね。いつまでも、ずーと心の中の映像を大切にしてください。決して忘れることはないでしょうから』と言って、私は彼女を慰めるのが精一杯でした。

 たった一本だけ残ってくれた「一本松」が土地の方々に勇気と希望を与えた話は有名です。その一本松のある場所は、現在立ち入り禁止だそうですが、運転手さんが一番良く見える場所へ車を寄せて、記念写真を取ってくださいました。

 この海辺にたたずむと、身の引き締まる思いがします。多くの方々が亡くなったことに思いを馳せ、思わず天を仰ぎ、その方々の魂のやすらかならんことを、祈りました。
by yoshikos11 | 2012-07-23 23:37 | Comments(2)

映画 『アウンサン・スーチー』: 愛情の絆は永遠

 ビルマの民主化運動のリーダー、ノーベル平和賞受賞者、アウンサン・スーチー女史の半生が,映画化されました。監督はイギリスのリュック・ベッソン、スーチー女史を演ずるのは、マレーシア出身の女優、ミッシェル・ヨーで、熱演しています。早速、鑑賞してきました。

 邦題は、『アウンサン・スーチー:引き裂かれた愛』です。ドラマ化と言っても、スーチー女史の人生そのものが、あまりにもドラマティックでドラマ以上、脚色を感じさせず、純粋なドキュメンタリー映画を見ているような気がしました。

 映像がリアルで、特に、民主化を渇望する一般市民と、それを武力で弾圧する軍事政権の流血シーンは、真に迫るものがあります。映画のエピローグで、こうした闘争シーンを実録したビデオを、匿名で提供した人々がいたことが告知さてていました。リアルに見えただけでなく、実際、リアルな映像も使われていたのでしょうか?

 主人公のアウンサン・スーチー女史は、その容姿から、壊れそうにかぼそく、もの静かで、楚々としたイメージですが、一体どこから革命家としてのあの情熱と、いかなる弾圧にも屈しない強靭さが湧き出るのだろうかと、不思議に思わずにはいられません。

 映画を見た限り、最愛の夫(マイケル・アリス〜オックスフォード大学教授)の存在、叡智、愛情がスーチー女史の心の支えだったということ。そして、民主化運動の志し半場にして暗殺された父、アウンサン将軍の意志を継承し、実現することに使命感をもっていたこと、その二つが彼女に偉業をなさせたと思われます。

 イギリス在住の夫が、ガンで余命が短いことを知りつつ、自分に期待を寄せる祖国民を置き去りにできなかったスーチー女史、たいへんな心の葛藤と闘います。『イギリスへ帰るべきでしょうか』と聞くスーチー女史に、夫が答えて言った一言が印象的でした。
 『ビルマのために、ここまで、二人で闘ってきたのだから、今,貴女が折れたら、全てが水の泡になる。僕のためにイギリスへ帰ろうなんて思わないで欲しい」と。この言葉に、二人の信頼と愛情のスケールの大きさを感じました。

 したがって、邦題のサブタイトル「引き裂かれた愛」は、ふさわしくないという気がします。彼らの愛情の絆は、地理的な距離も、いかなる妨害も、嫌がらせも、そして死ですら、引き裂くことはできなかったと、そう思うからです。


 
 

by yoshikos11 | 2012-07-23 00:20 | Comments(0)

映画『光のきせき』

 6月後半は、過密スケジュールでした。3大学で、社会人講座で講義、GCCのセミナー、GCC上級コースの修了試験採点、翻訳本の「あとがき執筆」、本全体の最終校正、その他にも色々雑用があり、省みて、この2週間、我ながら良く乗り越えたと思っています。
 仕事があることは有り難いこと、もちろん、感謝しつつ過ごしていますが!
 しかし、月末を迎え、セルフ・ケアが断然必要になりました。まず、パソコンに向かっていることが多かったため、肩こりがひどく、指圧マッサージを受けました。そして好きな映画の鑑賞を思いつきました。
 その映画、『光のきせき』といいますが、マット・デイモン主演、英語のタイトルはより分かりやすく“We bought a zoo" (動物園を買ったよ!)です。この話、実話に基づいているそうで、英国のジャーナリストが荒廃した動物園を購入して再生させるというもの。

 デイモン演ずる主人公は、小学生と中学生をもつシングル・ペアレント。奥さんは最近、病死しました。ちょっと変わったグリーフ・ストーリーなのです。家事と子育て、ジャーナリストの仕事、全てままなりません。そしてある日「何もかも新しくしたい」「現状を変えたい」と思うようになります。

 そして家を買い替えることになり、家捜しを始めたところ、もっとも気に入った物件が動物園付きの家でした。子どもたちがお母さんを亡くして寂しがっている姿に、動物と触れ合うことで癒されるのではないか、もしかして、ここは子育てに理想の場所なのでは、と決めます。

 荒れ果てた動物園を修復する膨大な費用、慣れない園の経営、相手は待ったなしの生き物、ということでデーモンは苦労しますが、動物好きのスタッフに支えられ、彼らとの交流で、一家は次第に立ち直って行く、という話です。

 グリーフの視点から、最愛の家族を亡くすことはまさに危機ですが、それを転機へと転換し、本当に生きがいのある人生は何かを考え、新たにスタートするという一つの事例でもありました。
by yoshikos11 | 2012-07-01 14:23 | Comments(0)