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やっと「送り人」見ました!

 「送り人」がアカデミー外国作品賞を受賞して、ロングランになりましたがしばらく超満員だと聞いていたので様子見をしていました。やっと昨日見て来ました。夜の部でしたが空いていました。

 「死のテーマ」と真っ正面に向合うことの難しさ、それをこの映画は見事にクリアしたと思いました。このテーマを現実的にしかも美しく扱うことによって、私たちを教育してくれたとも言えます。映画そのものが、すばらしい死生学教育です。

 実は、私自身、納棺式に立会った経験がないので、その場面を映画で見るってどんな気持なのだろうと、最初は、正直多少心配でした。しかし、次々と披露される納棺の場面に次第に慣らされたようで、終いには「今度はどんなメッセージがあるのか?」と興味シンシンで吸い込まれました。

 儀式の有効性を改めて感じました。つらく悲しい現実、時として美しいとは言い難い現実を、儀式は昇華してくれるのですね。映画の登場人物ー悲しんだり怒ったりしている遺族、納棺師の仕事を汚らわしいと言っていた友人や妻までもが、儀式の神秘に癒されてこの仕事を受容して行きます。

 この映画を見た友人が「日本人のスピリチュアリティが外国人に理解されたのでは?」とコメントしていたのを思い起こしました。本当にそうですね。ご遺体を手厚く暖かく扱う心、また、手際の良い所作(能や茶道にも通じる?)は日本人ならではですね。
 
 また、日本人が自然にスピリチュアリティを見出すと言うメッセージも沢山送られていました。特に、水鳥が川面から飛び立ち、大空を飛んで行くシーン、水鳥は、此岸と彼岸を結んでくれる象徴のように見えます。

 昨日はお彼岸の休日。映画鑑賞の前にはお墓参りに行ったので、水鳥のシーンに私はよけい共感を覚えたのかもしれません。

 
by yoshikos11 | 2009-03-21 13:58
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