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オバマ大統領、ES細胞研究を支持

 ES細胞(Embryonic Stem Cell-受精した胚性幹細胞) を再生医療に応用するなど、最近科学の発展は目覚ましい。しかし、アメリカでは生命倫理の問題がからんで、ブッシュ政権時代にはこの研究に対する助成金を禁止する方針で来ていたようです。

 ES細胞利用の反対派は、「人の受精卵を飼育したり、破壊したりすることは道徳的に許されない」と唱え、賛成派は、「人の命を救う可能性を探求することに正当性を認める」とそれぞれの立場を主張し対立しています。ちなみに、ES細胞はパーキンソン病、糖尿病、心臓病などの治療に効果があるとされているそうです。

 さて、オバマ大統領は、こうした論争もある中で、この3月に古い方針を撤回し、積極的に国がES細胞研究を支援すると発表しました。声明でオバマ氏は、たとえ長い道程であっても人の命を救う研究とその可能性を重視すべきと主張しています。

 また、オバマ氏は、科学の探求と生命倫理の問題が相容れないとは思えないと言っています。研究上、ES細胞の扱いに十二分の配慮と尊重をするようにし、その為の規制や条件付けをしっかり決めることで倫理に触れることはないと考えているようです

 新聞によると半数以上のアメリカ人が、ES細胞研究に対する国家援助に賛成し、10%の人が強く反対しているそうです。特に、キリスト教会の中で、ローマン・カトリック教会、南部バプティスト教会、福音主義教会が反対です。Chicago Tribune

 教会が反対する理由は、生命が受精の時点でスタートすると考え、ES細胞は既に赤ちゃんと見なすからであり、人の命を実験台にするなど考えられないわけです。

 この論争、極めて難しくデリーケートな問題で「貴女はどう思う?」と聞かれたら悩んでしまうことでしょう。その意味で再生医療に期待の星、京大の山中教授のiPS細胞(成人の細胞から作られる)の発見は、画期的であり、生命倫理の難問を回避してくれるという意味でも、ホッとさせられます。(ここにも、日本力が!)

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by yoshikos11 | 2009-03-27 15:46
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