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幼くして亡くなった姉

 幼くして亡くなった姉_f0101220_19455961.jpg 今日は、18ヶ月で亡くなった姉の命日です。昨日、母と電話で話していて母がふっとそのことを漏らしました。そうでなかったら私は気付かずに今日を過ごしたと思います。それくらい、昔から姉の話については家で聞く事がありませんでした。きっと両親は話すのがつらかったのでしょう。

最近になってようやく母が語り始めました。小児の肝臓ガンで当時、東京中の名医の所へ連れて行ったそうですが救うことができませんでした。末期には赤ん坊も気分が悪くむずかるので、ずっと抱っこをして自宅の廊下を行ったり来たりしたこと、亡くなったときには赤ん坊が苦痛から解放されて、悲しいよりもホッと安堵したことなど話してくれました。

赤ん坊が闘病中、母の父(戦艦武蔵の造船に携わった私の祖父)も、過労が重なり心臓の病気で療養中だったそうですが、初孫を祖父がかわいがり何よりの慰めであったとのこと、そして祖父は8月12日に亡くなり、6日後の18日に姉が亡くなったのです。

母は同じ週に二人最愛の身内を失ったわけです。弔問に駆けつけた親戚の方々も「もう、何と申し上げて良いやら。。」と絶句したとのこと。しかし母は言います。「お祖父さまが先に逝かれて良かった。恵美ちゃん(姉のこと)をお祖父さまがあっちで待っていて下さると思うと安心できた。一人で逝かせるのはあまりにも辛かったでしょうから」と。

私は「ご病気のお祖父さまを悲しませないために、恵美ちゃんは6日間、きっとがんばったのね」と母に言いました。恵美ちゃんはお祖父さま孝行をしたとも。しかしグリーフカウンセラーとしては「そうは言っても、ママはさぞ辛かったでしょう。身を切られる思いだったのね」と慰めることも忘れませんでした。
 母とこんな話をしたのは初めての気がします。電話を切る前に母は「貴女とこんな話が出来て本当に良かったわ」と言ってくれました。

この世では出会うことのなかった姉なのですが、今年の命日はなぜか姉を近くに感じます。そして、生きていてくれたなら、私も頼れたのに惜しい事をした」と妙に実感しました。

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by yoshikos11 | 2009-08-18 20:40
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