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中川昭一氏の死を悼む

 
 中川昭一氏の死を悼む_f0101220_1385788.jpg 中川昭一氏が亡くなられました。このニュース、当然メディアは大きくクローズアップし、死因なども詮索していました。お父様が自殺だった為、「もしや?」と思われたようでしたが、今となっては、ご本人の名誉のためにも、悲しみにあるご家族のためにも、もうあまり詮索しないで「そっと」しておいて上げた方がと思わずにはいられません。

 中川氏の晩年は実にお気の毒に思えました。先の衆院選での落選は、あれだけの地位にいた人が、しかも8回の当選歴がありながら、ご本人にとっては堪え難い「喪失感」だったろうと想像されます。一般人で言えば、失業であり、社会的アイデンティティの危機に違いない。
 選挙キャンペーン中、イタリア・サミットでの失態(メディア曰く朦朧会見)を詫びるというマイナスからの闘いだったと聞いています。あれだけメディアの餌食にされたにも関わらず(だからかもしれません)地元の人たちは彼を支持したということが、高得票数から分かります。

 実は私も、あの記者会見については彼にかなり同情しました。(もちろん、日本人のイメージダウンに繋がるという点は多いに気になりましたが)なぜなら、中川氏だけでなく、日本人のビジネスマンが、イタリアで同じような失態を犯したという話を、かつてイタリア企業に務めていた時、イタリア人の仕事仲間から聞いていたからです。
 昼間からフルコースでシャンペンや各種ワインを飲みながらのビジネス・ランチは、イタリアでは珍しくありません。出されるままに、飲み食いしていたら、日本人のアルコール許容量、消化力ではイタリア人に太刀打ちできません。また、時差とか旅の疲れも手伝って、渡航者はハンディもあります。日頃お酒に強いと思っている人でも、気をつけた方が良いのです。

 ということで、あの騒がれた記者会見は、中川氏の自己管理力や意志力の問題というよりも、「ヨーロッパ旅行・旅の心得」を誰かがアドバイスしたか、しなかったか、という程度の問題であると私は思いました。国家を代表する重責を担い、分刻みで動く政治家を、側近は細々とした気遣いで支えないのか、と疑問に思った程です。
 今や、何を言っても遅いとはいえ、タイムスリップして、カウンセラーとしては「中川さん、イタリアでのことは、あまり気にしない方が良いですよ。」と認知情動療法で支えられたのでは、などと残念に思います。しかし、たった一つの出来事が人の一生を大きく揺さぶることがあり、そこへのカウンセリングの介入は、非常に大切だと思っています。
 彼の魂のやすらかなることを祈念しつつ。

 


 
by yoshikos11 | 2009-10-07 13:18
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