神戸では今日、震災16年目の追悼記念の式典がありました。公園に5千人が集り10万本の蝋燭の火を灯し、地震のあった早朝5時46分に黙祷を捧げたそうです。 16年前を忘れもしません。日本中が震撼となり、まさに「神も仏もあるものか」という気持になりました。
一夜にして6434人もの命が奪われました。そんなことがあって良いのか、私は当時知り合いの牧師さんに「神が全知全能で、善をよしとするなら、どうしてこんなことを起させるのですか」と聞いてしまいました。答えはありませんでした。身内や身近な人を亡くした方々は、そうしたやり場のない気持とずっと闘って来られたのでしょうか。
「はるかのヒマワリ」という本があります。小学生だったはるかちゃんは、自宅の家がつぶされて下敷きになり亡くなりました。しばらくして、崩壊した家の庭にヒマワリが咲いたそうです。はるかちゃんが飼っていた小鳥の餌にヒマワリの種が混じっていて地面に落ち、花を咲かせたのです。
まるで天国に逝ったはるかちゃんが、罹災した人たちに「がんばって!」とメッセージを送ってくれたかのようでした。近所の人たちがヒマワリを植えようという運動を起して、いまでは夏になると街中にはるかのヒマワリが咲くそうです。全国に広まって,今では300万本にも増えました。
300万本に遺された人ひとり一人の思いが込められている気がします。天災地変の前では全く無力な人間だけれど、ヒマワリに命を繋げていくシブトさもあるのが人間なんだと思います。