第42回日本自殺予防学会へ参加して

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 今夏は次々と台風や豪雨に見舞われ被害にあった方々のことを思うと心が痛みます。
そんな悪天候の合間をぬって、9月21〜23日、第42回日本自殺予防学会・奈良大会は、快晴の元に開催されました。会場は主催者の奈良県立医科大学のお膝元、橿原市でした。日本の歴史の初まりの地と言われ、できればゆっくり観光もしたい気分でしたが、朝から夜までびっちりと重要なプログラムが組まれていて、その余裕はありませんでした。唯一22日の早朝にホテルから徒歩10分の橿原神社に参拝しました。

 今回のテーマは『あるべきように生きる:地域のつながりの中で自殺を防ぐ』ですが、前半の大見出しのは禅問答のよう。
「人事を尽くして天命を待つ」という意味なのでしょうか?
 決して悲観的な意味ではなく、精神科医を初め医療者全般、また臨床心理士やカウンセラーなど援助職にあるもの、宗教家、教職員、そしてご近所さん、皆が一丸となって希死念慮を持った人、自殺未遂経験者を支えよう、でも中には過酷な運命にこうし切れずに救えない命もある〜そのことを認めて謙虚になれという戒めも含めて。

 その意味で最終日、ランチョンミーティングでの張賢徳先生(本会理事長・帝京医科大学附属溝口病院精神神経科・科長)の講演は感動的で、先生が係わった患者さんの自殺について分かちあって下さいました。その勇気と謙虚さに心を打ちました。
(来たる10月28日、GCC第4期技法講座にて張先生がご登壇予定、今から楽しみです!)


 

by yoshikos11 | 2018-10-14 13:11 | Comments(2)
Commented by 水たまり at 2018-10-16 10:47 x
9月21日~23日の学会から、先生がブログをアップされるまでの時間の長さが、このテーマの重さをあらわしているように感じました。

私の個人カウンセリングにも、自死を口にする若い人が、クライアントさんとして何人か登場しました。でも彼ら彼女らはカウンセリングの中で、何かヒントをつかむとそれから自死の話は全然出てこなくなります。日常生活の中で自死する人と念慮だけで終わらせていく人の区分はつけにくいのではないかなーという気がしています。だから自死問題は対策が難しいのでしょう。さらに加えて自死に到る人は自己の内的葛藤の過程や実行に至る行動を内密に準備します。自死を行った方の話を直接聞いた人はいないはずです。

先日GCCの公開講座で「スピリチュアルケアの四つの次元:<第2編>」と題して、上智大学の伊藤教授から中動態に関しての講義がありました。対象は介護とか看護などケアの場でという意識が強いように聞きました。
しかし自死する人、願望のある人は、日常生活の中で「お前は」、「俺は」と、主語の世界に疲れているのではないでしょうか。 「今日はあの嫌な気持ち出てこないな」「ここ1週間ほどあの嫌な気持ち出てこない。どうしているのかな」など中動態的に客観的に自己の把握が出来てきたら、事態はかなり変わってくるのではないでしょうか。
ケアの世界だけでなく、日常世界の中で中動態的発想と思考によるスピリチュアルケアが必要なのは、自死願望を抱いている人たちではないでしょうか。
Commented by 鈴木剛子 at 2018-10-17 11:27 x
確かに学会の膨大な情報を限られた紙面で書くのは難しいですです(苦笑)コメントいただけると「小出し」に報告できるので助かります!希死念慮を発見するのは困難。しかし現在ハイリスク・グループを脳科学(脳生理学)の見地で予測し始めている。今回、牧之段学先生(奈良県立医科大学・精神医学講座)の発表は目から鱗でした。前頭前野の画像から希死念慮層のそれが健常者と全く違う事が分かっているなど一例です。特に幼児期虐待体験はトラウマ(脳の炎症)として残り、長じて自殺リスクが高いと言われました。しかし脳の炎症は、「低強度自発運動」(スロー・エアロビックス)により抑えられるという、画期的な発見があるのだそうです!
心因性、性格、人間関係の問題以外にも、脳生理的切口に着目することの重要性を多いに認識しました。牧之段先生、一度GCCへ招きたいですね。
グリーフワーク沖縄(GWO)1... >>