アメリカ・ホスピスの創始者 

 11月10日、米国・ホスピスの創始者、フロレンス・ウォルドが亡くなった。IWG(International Work Group on Death, Dying & Bereavement)より訃報が入る。

 ホスピス理念の生みの親であり、世界初のホスピス(セント・クリストファー病院)を設立したのは、英国のシスリー・ソンダースであることは世に知られている

 ウォルドは、「終末期患者たちが人間的尊厳を保ち、暖かく平和な環境で最後の日々を過ごせるように」と提唱したソンダースに感銘。1965年、当時、ウォルドは、エール大学看護学部長であったが、その要職を棄てて英国にわたり、直接、ソンダースに指示しホスピス理念と実践を学んだ。
 米国へ帰国後、母国でのホスピス実現に向けて「ホスピス理念」普及と啓蒙を目指し、各地で教育的講演を実施した。

 1971年、ウォルドは、看護士、宗教家、小児科及びオンコロジー(がん科)の医師たちとチームを編成し、米国第一号のホスピスをコネチカット州、ニューヘブン市に開設した。その後、15年間で米国のホスピスの数は1000件に達したと言われている。

 さて、注目すべきは、ウォルドによって導入された米国ホスピスのルーツが、そもそもの生みの親、英国のソンダース、創始者直伝であると言う点である。ソンダース肝いり、言い換えれば、「ほんもの」指向とも言える。

 直伝の二つの重要ポイントは、1) ホスピスの実践は、インタ−ディシプリナリー(学際的)アプローチであり、医療従事者とそれ以外の専門家(宗教家、社会福祉士、カウンセラーなど)がチームを組んで患者と家族のあらゆるニードに対応すること。
 2) 患者と家族(後には遺族)の意志が最優先され、ケアの中心であること。ということだ。

 この2点が尊重され実施されなければ、本当の意味でのホスピスケアとは言えない。日本でも既に188件のホスピス(独立型、病院併設型を含めて)があると言われているが、件数が増えたとはいえ、内容的にはどうなのだろうか?

 特に、2)について、英米、カナダ他欧米のホスピス設立の条件として、「家族のケア」尊重を徹底するために、死別後の遺族のケア、すなわち、グリーフ・カウンセラーの介入を義務づけているが、日本では、そのような動きが未だ見られない。

 遺族の誰もがグリーフケアが必要だと言っているのではない。「必要な方には、いつでもその用意がありますよ」と言うサービス精神が、人々に気持のゆとりと安心感を与えるのである。
 1) についてはまた、別の機会に論じたい。

 ウォルド女史の訃報に接し、形だけの「まねごと」ではなく、元祖を尊重した「ほんもの」指向と、徹底した理念普及に心より敬意をはらいたい。

 

 
 

 

 

 

 
by yoshikos11 | 2008-11-11 13:29 | Comments(0)
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