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ひな祭り

ひな祭り_f0101220_22575582.jpg昼間は春めいた日射しにちょっとほっとしました。でも、夜はまだ冷えます。春の待たれるこのごろですね
今日は桃の節句。このところ、ちょっと忙しくて、桃の花を愛でる心の余裕もありません。また、私には孫が5人いますが全員男の子。それぞれに「兜」の飾りものを買ってプレゼントしましたが、雛人形とは最近、ご縁がないのです。かつて娘たち3人が幼かったころには、おひな様を飾り、ちらし寿司など作って祝った記憶です。
 話は変わります。前回、カナダのフィギュア・スケート選手、ロシェットのことに触れましたが、その後、聞いた話です。「お母さんを亡くしたので、審査員の同情票を集めて銅メダルを獲得したんじゃない?」と言った人がいたそうです。そんな風に受けとめる人もいるのかと悲しい気がしました。真剣勝負のオリンピックで同情票なんてありえないと思うし、目立ったミスもなかったし、本人は精神力で危機と対処し、スケーターとしての実力を正当に評価されたと信じています。
 上述のような根拠のないコメントを、もし、ロシェット本人が耳にしたらどうでしょう。グリーフを抱えて苦しむ人が、それに追い打ちをかけるような心ないことを言われて、不必要に苦しむことがよくあるのです。また、グリーフ・カウンセラーとしては、日頃から人の心の傷みにセンシティブになるように自己鍛錬することが大切ですね。

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# by yoshikos11 | 2010-03-03 23:49

バンクーバー・オリンピック

 今日は、冬季オリンピックの女子フィギャア・スケートの実況放送で盛り上がったようですね。日本中が真央ちゃんを応援していたのに、残念ながらキム・ヨナに金メダルをさらわれてしまいました。しかし圧倒的な点差なので「くやしい」とも言えない辛さがあります。
 真央VSヨナ対決がフォーカスされる中、私は、3位に入賞した地元カナダのロシェットが気になっていました。試合の2日前に、応援に来ていたお母さんが突然の心臓発作で亡くなったと聞きました。何という悲劇、何というアンタイムリーな出来事でしょうか? その衝撃と痛手の中、彼女はほぼ完璧な演技をしました。
 登場したときには今にも泣き出しそうな表情でしたが、いざスタートの瞬間、シャンとなって全身全霊をスケートに集中させました。さすが一流選手、凄いですね。主催国カナダの期待を一心に浴びて責任感でがんばったとしか思えません。演技が終わった時には会場が大喝采、同情も相まってか何か特別などよめきが聞こえました。
 退場したところにコーチが待ち受けていて、ロシェットを抱きかかえました。良く見かける光景以上の何か深い感情が二人の間に交差したかに見えました、その瞬間、万感の思いが込み上げたのか、彼女の目には押さえきれない涙が溢れました。「この瞬間のコーチの支えは生涯忘れられない」と彼女は試合後、報道陣に語ったそうです。
 もしかして、ロシェットを支えたのは亡くなったお母さんだったのかもしれませんね。お母さんの為に一生懸命滑り、ブロンズメダルをお母さんに捧げたのだと思いました。彼女のブロンズメダルは、ゴールドよりもシルバーよりも、尊く重みがあるように思えるのです。

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# by yoshikos11 | 2010-02-27 00:49

突然シングルのステータスへ

 前回、Tさんの著書、「リビングを船に乗せて」を紹介しましたが、その中で伴侶を亡くしてシングルのステータスになった場合、慣れるまでにはある程度時間がかかると言うことを述べました。しばらくは同年層のカップルを見かけると、夫婦が揃っているというだけで「うらやましい」と思ってしまい自分を「憐れむ」気持になります。見かけるカップルが、Tさんのようにご主人の介護でバーンアウトしそうな状況であっても、もしかして夫婦仲が冷えきって離婚寸前かもしれない相手でも、そんなことは関係なく、また想像する冷静さもありません。
 対応策としては、自分を憐れむ状況に身を置かないこと、すなわちカップル単位のイベントには参加を見合わせること、シングルの友だちと仲良くしてそのネットワークに入れてもらい、外食、旅行、観劇などに付き合ってもらうことなどがあります。私は夫を亡くしたあと、幸い仕事の関係で独身の女性とのお付合いがあったので救われました。
 しかし、欧米社会では社交がカップル中心なので伴侶との死別後、離婚後のつらさ、不便さは日本社会とは比較にならないほど大変のようです。カナダ留学中の親友、Lさんはご主人と離婚したばかりでしたが、離婚前に、テニス、ゴルフ、グルメ探求などカップルで付き合っていたグループとはすっかり疎遠になってしまいました。(カップルばかりの中に、シングルが一人混じることを、5番目の車輪というそうです!)あるとき、そのグループの一人がクリスマス・パーティを開くとのことで、彼女は招待を受けました。しかし、離婚後、初めて皆の前にcoming outとするので、出掛けるにも勇気がいるので、私に同行して欲しいと言われ付き合ったのを覚えています。
 もっとひどい話も聞きました。40代の女性でしたが離婚したとたんに、職場のボス(男性)の奥さんがご主人を奪われるのではないかと危惧し、彼女を首にしろとご主人(ボス)に迫ったそうなのです。その結果、彼女は首にされたと嘆いていました。「私にも相手を選ぶ権利がある。勝手に変な想像をして欲しくない」と怒っていました。
 その点、日本では”hens’party”(女性だけの集まり)が盛んであり、夜の外出や海外旅行も女性だけのパーティを良く見かけますし、奇異な目で見られることもありません。むしろ、外国の空港待合室などで、大勢の女性が大挙して群がり、大声でおしゃべりしている場合、まず、日本人の女性ツアーと思って間違いなさそうです。そんな光景は、むしろ欧米人の目には奇異に映るかもしれません。(私は女性仲間からツアーに誘われることがありますが、上述のこともあって、女性大集団の海外旅行に参加する勇気がありません!)
 私は以前から仕事で、単身での海外出張などもしばしば経験していたので、急にシングルになった際にも、一人旅にはさしたる抵抗がありませんでした。旅先で夜一人でレストランへ出掛けることには、多少躊躇されましたが、それとても食べたい一心や好奇心で強行しました。そんな時、居心地悪さへの対策としては、必ず本を持参して読書しながら飲み食いし、ウェイターさん相手に軽い会話をするように心がけます。要するに、自分が意識するほどに周囲は、私のことなど気にもしていないのが現実であり、そう思うようになったら「お一人さまの外出」なんのそのですね。(若い女性の場合にはナンパされる心配があるかもしれませんが。。。)

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# by yoshikos11 | 2010-02-25 15:04

クラスメートの新書:リビングを船に乗せて

 大学の同級生、Tさんはご主人を世界一周のクルーズへ誘い出し、この度、その旅日記を一冊の本にまとめて出版しました。普通であれば「ええっ、なんてゴージャスでうらやましいお話」ということになるでしょうけれど、実は、Tさんのご主人は脳梗塞を患いその後遺症で半身不随となり、日頃、自宅のリビングから外へ出られないそうなのです。彼女はそんなご主人に同情し、外の風景が見られないなら、リビングごと移動して船に乗せ、周囲の景色を変えたらと奇想天外なアイディアを思いつき、クルーズ参加を実行しました。。
 彼女には昨年、同窓会で久々に再会し、ご主人の介護の大変さについて、また、夫婦で世界一周のお話も聞きました。逆境にもめげず、前向きで、勇気があり、素晴らしいと感嘆したものです。もちろん、なみ大抵でない介護のご苦労についてはえらく同情もしました。また、Tさんのストレス解消法が競技ダンスと言う事もそのとき知りました。介護の傍ら、毎日、ダンスのレッスンに行くというので驚きました。そんなエネルギーが彼女のどこに秘められているのでしょうか?
 さて、本書の題名からは、障害にもめげず、二人三脚で不運な運命に立ち向かうカップルの美談なのかと思われそうですが、読んでみると、介護者の複雑な思いがヒシヒシと伝わって来て、介護とは過酷な自己修練なのか、また、夫婦愛とか献身的な奉仕の精神と言うようなきれいごとでは片付けられない葛藤であることが良く分かります。
 クルーズに期待を膨らませて、乗船したにも関わらず、わずか3時間でご主人が船上で転倒、大怪我をして歩行困難になるという想定外のハップニングが起こりました。
 ご主人はもともとの障害の上に、怪我をし、激痛に苦しみ、介添えなしではトイレにも行かれなくなり、ほとんどキャビンに缶詰状態になります。贅を尽くした食事や趣向を凝らした客船のレジャーやエンタテイメントはおろか、寄港地でのツアーにも参加できません。目が離せないご主人をキャビンに残しては、Tさん自身も、もはやクルーズを満喫する心境からはほど遠く、楽しみにしていた船上のダンスパーティさえも、1曲だけ踊って部屋に飛んで帰ることに。それどころか、夜中には数回、ご主人に起こされてトイレに連れていく、間に合わないとシーツもパジャマもビショビショ、夜中に洗濯場へ駆け込むこともしばしば。睡眠不足、頭痛、腰痛など自身の体調にも不安を感じます。
 Tさんは「こんなことなら大金を払ってクルーズなんかに来るのではなかった」と後悔と自責の念に苛まれ、いっそ、海に飛びこんでしまいたいと思うほど、気持的に追い込まれます。苦しみを背負うには、環境がとびきり華やかで、楽しみが満載しており、まるで目の前に用意されたごちそうを取り上げられ、処罰を受けたような、これ以上の皮肉な話もそうないのではと思えて来ます。
 さて、ここまで導入部を紹介しましたが、後はぜひ、皆さんに本書を読んでいただきたいと思います。重度の障害を抱えた家族を支えることについて、また、その極限状況で家族愛とか夫婦愛とか言ったものは一体、何なんだと考えさせられます。人間は神にはなれません。
 一つ、グリーフの見地から印象に残ったことについて。豪華船のクルーズには伴侶を亡くして傷心を癒すために参加する人がけっこう多いとのことですが、日々悪戦苦闘を強いられているTさんに対して、ご主人を亡くしたある乗船客が「貴女なんか、夫婦そろっていられるのだから幸せよ。羨ましい」と言って泣き崩れたというのです。Tさんの気持も知らないで! 伴侶を亡くした人がカップル中心の社交の場に身を置き「心穏やか」でいられるようになるまでは、時間が必要です。徐々に自分を慣らすのが賢明で、いきなり100日間の社交にエクスポーズするのは冒険です。
 最後に、Tさんが100日間の船旅の日々、苦悩も喜びも実に素直に正直にノートに書き記していたことは、ご本人にとっての癒しにもなったことでしょう。そして、現在身内の介護に苦労している人たちにとっては、本書は多いに参考になり、また、励みにもなると思います。

Tさん、介護は下船してからも続いているそうですが、どうぞ、踊り続けて喜びの瞬間をできるだけ多く見出してください。貴重な経験談をシェアしてくださりありがとう。

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# by yoshikos11 | 2010-02-23 02:13

引越真っ最中

 グリーフと引越、引越もある意味では「喪失」もあり、変化もあり、多少グリーフを伴いますね。今、家の中で、引越屋さんが行ったり来たりして荷物を運んでいます。パソコンは最後の最後に自分で手持ちしようと思って、まだ、かじりついて書いています。いつも座っていた部屋のコーナー、ここに座ると何となくアイディアが浮かんで、こうして書くことができました。
 そんな、自分の特別な場所、部屋の片隅、ここともお別れです。また、新居でそんな落ち着ける場所、アイディアが浮かぶ場所を見つけるまで、しばらくブログもお休みかもしれません。

 さきほど、住み慣れた町(半蔵門)と、行き慣れたカフェを見納めてきました。(もちろん、またこの町へ立ち寄ることはあるでしょうけれど)カフェにもしばしばラップトップを持ち込んで、教材などを作成したり、資料を読んだり、時には受講生の方々の感想文を読んでコメントなど書き込んでいました。今となると、そんな日々がなつかしく、立ち寄った他の店なども(ありきたりのフローリストとか、ドラッグストアとか、立ち食い蕎麦やとかなんですが)「さようなら」とメランコリックな気分になりながら別れを告げました。

 ちなみに、今回で生涯、25回目の引越です。(海外移住も含めて)。私のクラスメートには生まれてから今日まで(年は内緒)同じ町に住んでいる人もあるので、25回は多い方なのかもしれません。25回、色々の町で思い出を作り、別れを告げたことになりますね。

 しかし、引越は次なる町で新たな発見もあるでしょうし、愉しみと期待感もあり、いわゆる「喪失」とは言いませんね。

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# by yoshikos11 | 2010-02-14 16:24